慢性疼痛に対する心理療法の効果


以前から、マインドフルネス等の心理療法が、高度の疼痛にも有効であることが指摘されてきました。


今回は、認知療法・行動療法・マインドフルネスの3つの心理療法が、鎮痛薬投与等の通常の治療のみと比較して有効なのか調べた研究をご紹介します。


Cognitive therapy, mindfulness-based stress reduction, and behavior therapy for the treatment of chronic pain: randomized controlled trial

認知療法、マインドフルネス、行動療法の慢性疼痛に対する効果


慢性の腰痛を伴う521人を、認知療法・マインドフルネス・行動療法・通常治療のみのグループに振り分けました。


週に1回のセッションで、8週間の心理療法を継続し、6ヶ月後の経過観察を行いました。


結果として、以下のことが示されました。

①3つの心理療法の差異は明らかではありませんでしたが、いずれも通常の治療のみよりは痛みや機能、抑うつの軽減等に効果を上げていました。

②通常の治療のみと他の3つの心理療法との比較では、「コーエンのd」

と呼ばれる効果を示す量で、痛みの程度d=0.30~0.48、身体的機能d=-0.21~-0.26、うつ病d=0.26~0.53となっていました(目安ですが絶対値で0.5あれば中程度の効果)。


つまり、“様々な心理療法の違いははっきりしないが、慢性疼痛に心理的アプローチを加えると通常の治療よりは、痛みの程度や気分への影響を軽減できるかもしれない”ということです。


論文中で、痛みの捉え方・感情・行動の関係を理解する等の認知療法の記載がありましたが、簡略なものであればエッセンスのみでも外来での治療に取り入れられないか想像が刺激される内容でした。

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