昨日は、手術後の高齢者に対する処方の傾向についてお伝えしました。
今回は、手術後の高齢者に対する抗精神病薬処方の安全性について、以前は主流だったハロペリドールとの比較も含めて調べた研究をご紹介します。
Comparative Safety Analysis of Oral Antipsychotics for In-Hospital Adverse Clinical Events in Older Adults After Major Surgery
A Nationwide Cohort Study
手術後の高齢者への抗精神病薬処方について安全性を比較する
手術後に抗精神病薬の処方を受けた65歳以上の高齢者17,115人が対象となりました。
ハロペリドール(一日4 mg以下)、オランザピン (10 mg以下)、クエチアピン (150 mg以下)、リスペリドン (4 mg以下)について、入院中の死亡などについて比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・4剤の中でもっとも使用されていたのはクエチアピンでした(53.0%)
・入院中の死亡について比べると薬剤間での差異は明らかではありませんでした(ハロペリドール3.7%、オランザピン2.8%、クエチアピン2.6%、リスペリドン3.3%)。
・他の入院中のイベント(不整脈、肺炎、脳卒中)についても明らかなリスクの差異はありませんでした。
要約:『比較的安全と言われている抗精神病薬でも、古いタイプの薬剤との安全性の差は明らかではない』
どれかを選ばなければならないとしたら、非定型抗精神病薬の中から選ぶという方針に変更はないと思われましたが、全体の処方量を減らす必要性を感じました。
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