抗うつ薬の効果には、大きな個人差が存在します。この「個人差」は何の違いによるのでしょうか?
今回は、抗うつ薬による反応の違いについて多くの研究結果をまとめた分析をご紹介します。
抗うつ薬の反応における個人差
二重盲検による臨床試験に限った91の研究(18,965人の参加者を含む)が分析の対象となりました。
抗うつ薬の反応の違いについて、偽薬と実薬、重症度、研究の発表時期、抗うつ薬の種類について調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①偽薬と実薬では、個人間の反応に違いがありませんでした。重症度や発表の時期によっても、違いは明らかではありませんでした。
②ノルアドレナリン関連の抗うつ薬の方が、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)よりも反応の違いが大きくなっていました(11%)。
つまり、少なくともうつ病の症状の重さや、ほとんどの抗うつ薬の種類の中では、抗うつ薬の効き目に大きな違いがないということのようです。
今回の分析では、抗うつ薬の効果について、個人間での違いを説明する大きな要素を見出すことはできないという結果でした。
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