抗コリン薬の認知能力への影響は大きい


抗アレルギー薬や抗うつ薬、降圧薬、抗パーキンソン病薬等には“抗コリン作用”という自律神経への影響があり、これが認知機能を低下させるのではないかということが指摘されてきました。


今回は、抗コリン作用のある薬(以下、抗コリン薬)について、他のアルツハイマー病リスクとの関連も調べた研究をご紹介します。


Association of anticholinergic medication and AD biomarkers with incidence of MCI among cognitively normal older adults

抗コリン薬、アルツハイマー病バイオマーカーと認知障害発症との関連


研究開始時点では認知機能が正常だった688人(平均73.5歳、49.6%が女性)について、抗コリン作用のある薬剤の使用、アルツハイマー病の遺伝的リスク、脊髄液中の診断指標(バイオマーカー)を調べ、10年以上の経過を追いましした。


結果として、以下のような内容が示されました。

①抗コリン作用のある薬剤を使用していた場合には、認知障害の発症が多くなっていました。(ハザード比:1.42倍)

②遺伝的リスクや脊髄液中の診断指標(バイオマーカー)でリスクがある場合には、さらにリスク上昇がありました。(例:APOEに関するアルツハイマー病の遺伝的リスクがある場合には2.47倍)


つまり、抗コリン作用のある薬剤は認知機能が正常な集団においても、長期間の観察で認知能力低下を来す可能性があり、アルツハイマー病のリスクがあるとその可能性はさらに高まると言えそうです。


使用せざるを得ない場合もあるかもしれませんが、特に他の認知能力低下リスクがある場合、できるだけ抗コリン作用のある薬剤を避けたいと思いました。


#認知症 #抗コリン薬

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