統合失調症の症状や最近は気分安定やうつ状態等にも使用される第2世代抗精神病薬(以下、抗精神病薬と記載)ですが、妊娠可能年代の女性にも多く使用されており、胎児への影響が心配されるところです。
今回は、抗精神病薬を妊娠中に服用していた場合に、明らかな形状の変化として示される形成異常(major malformations)の出現率を大きな規模で調べた研究をご紹介します。
第2世代抗精神病薬の生殖に関する安全性
アメリカにおける研究で、精神疾患の既往のある18~45歳の女性1906人が対象となりました。
そのうち、889人は抗精神病薬を妊娠中も飲み続け、1,017人は妊娠中の服用がありませんでした。
これら2つのグループを比較した結果として、以下の内容が示されました。
①抗精神病薬を服用していた場合に明らかな形成異常が出現したのは16例(記録が入手できた例のうち2.5%)
②薬剤の服用がなかった場合には14例(同様に1.99%)
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つまり、“抗精神病薬を飲んでいても、見て分かるような異常が出る可能性はほとんど飲んでいない場合と変わらない”と言えそうです。
しかし、外見上は分からないような発達上の問題まで含めると不明な点も多く、できるだけ服用は最低限か中止が望ましいという方針に変化はないように思われました。
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