抗精神病薬を変える理由について
- もりさわメンタルクリニック
- 2022年9月25日
- 読了時間: 2分

精神医療では、主な疾患で第一選択(first line)とされる薬剤がいくつか存在するのですが、治療中に様々な理由で薬剤を変更します。
今回は、統合失調症や双極性、統合失調感情障害等でしばしば使われる抗精神病薬について、変更の理由を調べた研究をご紹介します。
Reasons for Antipsychotic Treatment Switch: A Systematic Retrospective Review of Prescription Records and Prescriber Notes
抗精神病薬を変更する理由
統合失調症や双極性障害、統合失調感情障害における270例の抗精神病薬の変更を分析しており、その中には195人が含まれています。
変更の理由や変更前後の大まかな薬剤の種類について、分析を行い、傾向を把握しようとしました。
結果として、以下の内容が示されました。
・薬剤変更の理由のうち最も多かったのは副作用(不耐性)で45.7%、効果なし(悪化含む)17.6%が続いていました。
・最も多い薬剤(剤形)の変更は、経口薬から別の経口薬で、主な理由は副作用(不耐性)となっていましたが、その他持効性注射剤から経口薬11%(理由は、副作用・嗜好性・保険適応)、経口薬から持効性注射剤10.7%(理由は服薬不遵守)となっていました。
要約:『抗精神病薬の変更は副作用(不耐性)によることが最も多く、異なる剤形への変更についてはそれぞれ理由に特徴がある』
海外のデータですが、日本での実践上の感覚とほぼ一致していました。しかし、持効性注射剤の使用頻度や保険制度の問題などで、微妙に異なる点がありました。
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