
若い年代に発症することの多い病態として、髪の毛を抜いてしまったり(抜毛症)、特に病変のない部位を引っかいたりしてしまう症状(皮膚むしり症)が知られています。
今回は、このような症状に対して今まで認知症治療に用いられてきた薬剤(メマンチン)が有効であるかもしれないという内容の研究をご紹介します。
Double-Blind Placebo-Controlled Study of Memantine in Trichotillomania and Skin-Picking Disorder
抜毛症と皮膚むしり症に対するメマンチンの臨床試験
抜毛症か皮膚むしり症のある100人(86人が女性、平均31.4歳)が対象となりました。
二重盲検と呼ばれる投与する方も、される方も実薬か偽薬かしらない方法で、8週間の経過における薬剤の効果を検証しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・複数の尺度(NIMH scale, Sheehan Disability Scale, and Clinical Global Impressions severity scale)でメマンチンが明らかに改善を認めていました。
・「とても、あるは非常に改善した」 “much or very much improved” と答えたのが、メマンチン60.5% vs 偽薬8.3%となっていました。
・副作用は両者のグループで変わりませんでした。
要約:『認知症治療薬として使用されているメマンチンは、抜毛症や皮膚むしり症の改善に有効である可能性がある』
試験の結果が臨床的にかなり意味のあると思われる差異となっており、今後の検証が期待される内容でした。
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