◎要約:『統合失調症に対する持効性パリペリドンの効果は3年間の経過観察でも良好で、再燃は4%程度にとどまっている』
今回は、6か月に1回の注射で長期間効果が持続するパリペリドンの統合失調症に対する効果を、3年間の経過で確認した研究をご紹介します。
成人統合失調症に対するパリペリドンパルミチン酸エステル6か月間隔投与の3年間の効果
Three-Year Outcomes of 6-Month Paliperidone Palmitate in Adults With Schizophrenia
An Open-Label Extension Study of a Randomized Clinical Trial
6か月間隔でパリペリドンの投与を受けている統合失調症の患者121人(平均38.6歳、男性68.6%)が対象となりました。
初期の段階で83.5%が経口薬、16.5%が他の持効性注射剤を併用していました。
結果として、以下の内容が示されました。
・3年間の経過で4.1%が症状の再燃を経験しました。
・症状再燃の転帰としては、1.7%(2人)が入院、1.7%(2人)が自死あるいは殺害に関する念慮、0.8%(1人)が自傷を認めました。
・3年間、再燃を経験しなかった例では機能的に安定し、症状評価の尺度(PANSS : Positive and Negative Syndrome Scale)でみても大きな変化はありませんでした(平均の変化-2.6点)。
全ての人が単剤というわけではありませんが、主な薬剤が6か月に1回の投与で済むのならば、症状の安定に大きく貢献できる可能性があると思われました。
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