高齢者において、腰痛など原因のはっきりしない強い痛みで日常生活に大きな支障を来すことが少なくありません。
今回は、慢性的な痛みが持続することで、認知症のリスクが上昇するのか調べた研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。
高齢者における持続的な痛みと認知機能の低下
持続的な痛みと認知能力低下について経過を調べた研究を検索し、基準を満たした10の研究(57,495人の参加者: 61.8~88.4歳、経過観察期間: 2.75~11.8年)が分析に含まれました。
結果として、痛みと認知能力低下との関係ははっきりしませんでした。
研究ごとにやり方の違いが大きく、結果を統合することに困難もあったようですが、全体としては、疼痛が持続しても認知能力には影響を与えないという結果でした。
炎症や腸の細菌叢の状態等が、認知能力低下と関連する可能性について示唆した研究も多く、今後も全身と認知能力との相互影響について検討がすすむと思われます。
#認知症
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