摂食障害に罹患している場合には、自殺企図が多いことが指摘されています。
そして、その原因については合併するうつ病や不安障害、薬物やアルコール依存等との関連で説明されることがあります。
今回は、大きな規模で摂食障害の自殺企図の頻度と合併する疾患の影響、家族内での多発(集積性)について調べた研究をご紹介します。
摂食障害になりやすい家族内での傾向と自殺企図
スウェーデンの出生から登録される疾患データを用いた大規模な研究で2,268,786人が調査の対象となりました 。
そのうち、15,457人の女性(全女性の1.40%)と991人の男性(全男性の0.09%)が摂食障害を発症しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①摂食障害がある場合はない場合と比較して自殺企図5.28倍、自殺による死亡5.39倍と多くなっており、これは合併するうつ病などの疾患の影響を調整した後でも、自殺企図1.82倍と自殺による死亡2.04倍と高いままであった。
②家族内で摂食障害と自殺企図が多発する傾向(家族集積性)があった。例:両親が共通する兄弟姉妹が摂食障害だった場合、自殺企図のリスクが1.41倍。
つまり、他の疾患の影響を取り除いても、摂食障害のみで大きな自殺の危険因子となり得ること、そこには家族内に共通する要因が存在することが示唆されていました。
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