新型コロナウィルス感染症後も、各種感覚障害や倦怠感、認知能力の低下などが継続する場合に、コロナウィルス感染の後遺症であると考えられることがあります。
今回は、新型コロナ(SARS-CoV-2)に感染する前の精神状態と、後遺症の残存する傾向との関連を調べた研究をご紹介します。
Associations of Depression, Anxiety, Worry, Perceived Stress, and Loneliness Prior to Infection With Risk of Post–COVID-19 Conditions
感染前における抑うつ・不安・心配・自覚的ストレス・孤独とCOVID-19後遺症との関連
看護師の様々な健康状態に関する研究(Nurses’ Health Study IIなど)のデータを元としており、当初コロナウィルス感染のなかった54,960人(平均57.5歳、96.6%が女性)が対象となりました。
その後、1年間の経過観察で3,193人がコロナウィルスに感染しましたが、そのうち感染前の精神状態と後遺症の発症がどのように関連しているのか調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・観戦前に何らかの精神状態の悪化(抑うつ・不安・心配・自覚的ストレス・孤独)がある場合のほうが、後遺症の発症が多くなっていました(抑うつ1.32倍、不安1.42倍、心配1.32倍等)。
・2つ以上の精神状態の悪化があった場合には約50%、後遺症の発症増加と関連していました。
要約:『うつ病や不安障害等の精神状態の悪化は、コロナウィルス感染後遺症のリスクとなるかもしれない』
精神状態の悪化が、後遺症発症の準備状態の一部になっている可能性が考えられました。
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