◎要約:『初発の統合失調症を対象とした早期介入プログラムは広い年代で自傷・自死企図を減少できる可能性がある』
今回は、今までは若い年代で適用されていた統合失調症の早期介入プログラムを広い年代で行った場合に、全体として自傷や自死が減少するのか検証した研究をご紹介します。
初発統合失調症に対する早期介入プログラム導入前後の自傷・自死の割合
Self-Harm and Suicide Rates Before and After an Early Intervention Program for Patients With First-Episode Schizophrenia
香港における研究で、15~64歳の初発の統合失調症患者37,040人(平均発症年齢:39歳、53%女性)が対象となりました。
早期介入プログラム:early intervention services (EISs)とは、治療の遅延をなくし、適切な時期に必要な治療を提供できるように組織された多職種連携チームによるプログラムで、今までは25歳未満の実施における研究が主となっていました。
結果として、以下の内容が示されました。
・1年後の経過観察で、自傷の発生率が低下していました(26~44歳で発生率の比※以下同様0.77倍、45~64歳0.70倍)。
・2001~2021年の調査期間内で長期経過をみたところ、全体として自傷の発生率は低下していました(15~24歳0.98倍、26~44歳0.98倍、45~64歳0.97倍)。
・自殺においても広い年代での低下を認めていました。
(いわゆる解体型では)統合失調症の発症の年代が比較的早いと言われていますが、広い年代で今回のプログラムは有効だという結果でした。
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