
昔から、認知機能のテストとしてアナログ時計を描く検査があります。
通常はこれを肉眼で観察して、実際の形状との差異を判断しますが、最近はデジタル機器を用いて分析する方法 があります。
今回は、時計の描画テストをデジタル情報として分析し、判断した結果がどの程度実際の病態と一致するか調べた研究をご紹介します。
健常高齢者における時計描画のデジタル分析とアミロイドやタウ蛋白PET画像所見の関連
全体で300人が研究の対象となりました。そのうち264人が認知能力低下がなく、残りの36人は軽度認知障害か初期のアルツハイマー病でした。
結果として、この描画テストは認知障害の有無に関して正しい判別を行い、健常者の中でもアミロイドやタウPETの画像所見と一致して、認知機能の低下を検出することが可能でした。
つまり、このテストは“今までの肉眼の判断よりもずっと早くに認知機能低下を見つけられる”可能性があります。
機器導入の負担を軽減できれば、普及する可能性があるテストであると思われました。
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