
実際の薬効を伴う薬剤(実薬)には、作用と副作用があり、身体的影響や依存性などを考慮して使用を躊躇することがあります。
今回は、本人にも偽薬であることを伝えた上での、偽薬の使用で過敏性腸症候群の症状が軽減するのか調べた研究をご紹介します。
子どもの機能性腹痛や過敏性腸症候群に対する情報開示を行った偽薬投与
身体的な異常がはっきりしない腹痛や過敏性腸症候群の子ども30人(平均14.1歳)が研究の対象となりました。
グループを2つに分け、交互に3週間ずつ、偽薬を用いる時期とそうでない時期を経験し、その間の腹部症状の実感(0~100)、腹痛軽減のための実薬の使用を比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①偽薬を使用している期間では明らかに腹部症状の実感が低下していました (偽薬使用39.9 vs 不使用45.0 )。
②偽薬を使用している期間では明らかに実薬の使用が減少していました(偽薬使用2.0錠 vs 不使用3.8錠)。
つまり、“本人に伝えた上であっても、偽薬投与には腹部症状を軽減させる効果があるかもしれない”と言えそうです。
本人に伝えた上で偽薬を使用するというのが、どのような言い方になるのか、導入の仕方については難しい点があるように感じました。
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