先日は認知症と様々な感覚障害との関連性についてお伝えしました。
そのように、一見関連性の低いように思える疾患でも、(因果関係は不明ですが)認知症との合併が多いものが存在します。
今回は軽度認知障害を含む認知能力低下と、歯周病との関連について調べた研究をご紹介します。
歯周病と認知症の発症について
50後半~60歳代の8,000人以上の認知能力低下のない参加者を対象にして、20年以上の経過を調べました。
研究開始時の歯周病の状態に合わせてグループ分けを行い、認知症発症との関連性について検討しました。
結果として、以下のような内容が示されました。
①経過中の認知症発症の割合について見てみると、無歯の状態:24%、重度の歯周病:22%、軽度の歯周病:18%、健康で全ての歯がある状態:14%となっていました。
②無歯の状態について、他の要素を調整して調べたところ、通常よりも20%程度、軽度認知障害と認知症を合わせたリスクが高くなっていました。
つまり、歯の状態が悪いグループを長期に渡って調べたら、認知能力低下を来す割合が高くなっていることが示されました。。
著者もコメントしていますが、歯周病と認知症との因果関係を示すものではないので、歯周病の治療が直接認知症予防につながるような解釈は控えた方が良いと思われました。
#認知症
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