◎要約:『有毒性の高い殺虫剤の禁止は、服毒の方法を変化させた可能性がある』
今回は、スリランカにおいて、有毒性の高い殺虫剤の禁止が、服毒の方法にどのような影響を与えたのか調べた研究をご紹介します。
スリランカにおける殺虫剤の制限と服毒
Restrictions on Pesticides and Deliberate Self-Poisoning in Sri Lanka
スリランカにおける研究で2002年から2019年における服毒による病院受診者79,780人(平均24歳、50.1%男性)が対象となりました。
スリランカにおいては、パラコート等の有毒性の高い殺虫剤が2008~2011年にかけて禁止されて行き、その後2015年には有害性の低い殺虫剤に関しても制限されました。
結果として、以下の内容が示されました。
・有毒性の高い殺虫剤が禁止された後は、殺虫剤の服毒による病院受診が18%、致死率が67%減少しました。
・同時期に、薬剤や他の化学物質による服毒は増える傾向がありました。
・有毒性の低い殺虫剤の制限は、病院受診や致死率に影響を与えていませんでした。
致死性の高い方法の入手が困難になることで、自死企図が生じてしまった場合でも救命率が高まったことが考えられる内容でした。
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