
早産が予想される場合に胎児の成熟を促す目的で母体へのステロイド投与が行われることがあります。
今回は、この母体出生前ステロイド投与が出産した子どもの精神疾患や行動上の問題と関連するか調べた研究をご紹介します。
母体出生前ステロイド治療と子どもの精神/行動障害の関連
フィンランドにおける研究で、一定期間に出産した670,097人が調査の対象となり、平均5.8年間経過の観察が行われました。
このうち14,868人(2.22%)でステロイド治療が行われ、6,730人が正期産、8,138人が早産で出生しました。
結果として、ステロイド治療を行った場合(正期産、早産を合わせた結果)では、子どもの精神疾患や行動上の問題が発生するリスクが1.33倍高くなっていました。
実際の割合で比べた差は①ステロイド治療を行った場合と②行わなかった場合で、5.56%となっており、これを大きいとみるかは難しいところであると思われます。
ただ、この出生前ステロイド投与は適応の範囲が議論されており、出産までの成長をどの程度促進する効果があるのか、出生後の影響がどの程度あるのかまで視野に入れて検討するべき問題であると思われました。
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