両親のうつ症状が子どもの発達に影響を与える点に関しては多くの指摘があります。
今回は、母親のうつ病が影響を与える場合の領域や子どもの年齢について調べた研究をご紹介します。
幼児期における母親のうつ病と入学時の発達遅延
カナダのマニトバ州で2005年から2016年に検査を受けた52,103人の幼児が対象となりました。
母親のうつ病に関しては、病院の受診や入院、薬歴で定義しました。
結果として以下の内容が示されました。
①子どもが5歳になる前に母親にうつ病があると、入学時に一つ以上の領域で発達遅延が生じる可能性が17%高くなる。
②領域として特に遅延が生じやすいのは社会的能力(social competence)、身体発達と健康度、感情的成熟度の領域でした。
③子どもが1歳以前と4~5歳の時に母親にうつ病があると最も関連が大きくなっていました。
つまり、子どもが1歳までや入学に比較的近い時期に母親のうつ病があると、社会的能力をはじめとする広範な領域で、入学時の発達遅延が目立ちやすい、ということが示されました。
子どもが乳幼児期に、母親がうつ病になったときには、その後の子どもの発達にも配慮する必要性を感じました。
#うつ病
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