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母親の炎症と思春期のうつ

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

◎要約:『妊娠中の炎症が、子どもの思春期のうつ症状と関連し、影響の方法は性別によって異なるかもしれない』





妊娠中に母親の炎症があると、子どもの精神状態に影響があると指摘されてきました。


今回は、妊娠中の炎症の指標と思春期のうつ症状との関連を調べた研究をご紹介します。


Sex-Specific Pathways From Prenatal Maternal Inflammation to Adolescent Depressive Symptoms

出生前、母親の炎症による思春期うつへの性別で異なる影響


674人の母親(平均28.1歳)と子ども(男性350人、女性325人)が対象となりました。


妊娠中の炎症の指標(IL-6、IL-8、IL-1RA等)と出産した子どもの精神状態、思春期のうつとの関連を調べています。


結果として、以下の内容が示されました。


・妊娠期を3つに分けた第二期における炎症の指標(IL-6)の高値が、子どもの思春期におけるうつ症状に関連していました。


・男性の子どもでは、externalizing symptoms(外在化障害):行動として現れる障害が、妊娠第1三半期の炎症の指標(IL-6)と思春期のうつとの関係に介在していました(両者の関係に影響を及ぼしていました)。


・女性の子どもでは、 internalizing symptoms(内在化障害):行動として現れない不安などの障害が、妊娠第2三半期の炎症の指標(IL-1RA)と思春期のうつとの関係に介在していました。



様々な経路で母胎の炎症が子どもの長期に渡る精神状態に影響を及ぼす可能性を感じる内容でした。



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