アメリカでパーキンソン病等に関して認可されている治療法として、脳の深部に装置を埋め込み電気刺激を行う深部脳刺激療法: Deep brain stimulation(DBS)が知られています。
今回は、DBSをうつ症状に対して用いた場合の長期経過について調べた研究をご紹介します。
治療抵抗性うつに対する梁下帯状回深部脳刺激の長期経過
うつ病に罹患した20人、双極性感情障害の8人が深部脳刺激の手術を受けました。
その後、長期にわたって反応/寛解の状態が維持されているか経過を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①経過を調べた期間中(2~8年間)、治療に反応/寛解の状態を維持できていた割合はうつ病で50%以上、双極性感情障害で30%以上でした。
②安全面で大きな支障はなく、副作用はパーキンソン病等の他の適応で用いられた場合と同様でした。
つまり、“うつ病か双極性障害によらず、うつ症状に対するDBSは長期にわたって効果を維持できる可能性がある”と言えそうです。
全員で必ず効果が大きく、それが維持されるというわけではないので、手術を受けることに対する結果としてどう評価するかは意見の分かれるところであると思われました。
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