昨日は、治療抵抗性うつ病に対するケタミンの効果についてお伝えしました。
今回は、治療抵抗性うつ病に対しては最も有効とされている電気けいれん療法(ECT)とケタミンを比較した研究をご紹介します。
Racemic Ketamine as an Alternative to Electroconvulsive Therapy for Unipolar Depression: A Randomized, Open-Label, Non-Inferiority Trial (KetECT)
単極性うつ病に対する電気けいれん療法の代替療法としてのラセミ体ケタミン
単極性うつ病に罹患している186人の入院患者が対象となりました。
対象となる患者をケタミン注射を受けるグループと、電気けいれん療法(ECT)を受けるグループに分けて、その効果を比べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・電気けいれん療法の寛解率(うつ病尺度Montgomery Åsberg Depression Rating Scale score 10以下)は63%、ケタミン注射で46%でした。
・ECTもケタミンも、寛解までに要した平均実施回数は6回でした。
・副作用としての健忘はECTの方が多く認めましたが、治療中断はケタミンの方が多くなっていました。
要約:『ECTとケタミンは治療抵抗性うつ病に対して両者とも効果を認めるが、ECTの方が寛解率は高い』
電気けいれん療法(ECT)は長年、治療抵抗性うつ病(特に強い希死念慮を伴う時)に対しても効果を認める治療として知られてきましたが、実施している機関が減少していること等を考慮すると代替となる治療法が必要であると思われました。
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