主にはうつ病に対する薬を使わない治療法として磁気で脳を刺激する“反復経頭蓋磁気刺激法(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)”と言われる方法があります。
最近、様々な刺激法の応用範囲が広がっていて、うつ病だけではなく、様々な病態に効果があるのではないかと言われています。
今日は、去年の論文ではありますが、刺激法の中でも“高頻度経頭蓋磁気刺激法High-frequency transcranial magnetic stimulation (TMS)”が加齢に伴う記憶力低下に対して、どのような効果が得られるか調べた研究をご紹介します。
特定のネットワークに対する刺激による、加齢随伴性の記憶力低下に対する効果
64から80歳の15人が調査の対象となりました。
機能的MRIと言われる画像検査で脳内のどの部位を刺激するかを定め、“回想”や“再認”に関する能力の変化を調べました。
結果として、磁気刺激(TMS)を海馬ー皮質のネットワークに対して行った場合には、“回想”の能力が明らかに改善していました。
TMSはまだ日本では保険診療外で、一部のクリニックや病院でしか行われていませんが、刺激する部位を工夫することにより、うつ病だけではなく、認知能力低下に対しても効果が期待できると思われました。
#認知症
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