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深部脳刺激のアルツハイマー病に対する効果

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

深部脳刺激療法はパーキンソン病等の神経疾患に対する効果が確認されており、アメリカではすでに認可を得ている治療法です。


しかし、神経変性を機序とする疾患でも認知症に対する効果は確認されていません。


今回は、軽度のアルツハイマー病に対する深部脳刺激療法の効果を確認した研究をご紹介します。


軽度アルツハイマー病に対する脳弓深部脳刺激の第Ⅱ相試験


軽度アルツハイマー病の診断を受けている42人が対象となりました。


脳弓の主要な神経束に対する深部刺激の装置を埋め込み、刺激の有無によってどのように認知機能や脳代謝に影響が出るのかを12ヶ月の経過で調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①12ヶ月の経過で、認知機能の変化(尺度としてADAS-Cog 13、CDR-SBを使用)を脳刺激の有無で比較したところ、明らかな差は認めなかった。

②6ヶ月の経過で、脳刺激を行ったグループで脳代謝が活発になっていましたが、統計的に明らかな差ではありませんでした。

③副作用は重篤なものはなく、安全性に関して大きな支障はありませんでした。


つまり、“軽度アルツハイマー病に対する深部脳刺激では、やや脳代謝が改善する傾向を認めたものの、認知機能にはっきりとした効果がなかった”と言えそうです。


研究後に追加された分析では、年齢によっても反応が異なる傾向があるようですが、今のところアルツハイマー病に対する効果は明確ではないようです。

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