母親のうつが、子どもの心理的発達・成長後の心理状態に影響を与えることが指摘されてきました。
今回は、子どもが10歳未満の時の父親のうつと、子どもが思春期になったときの精神状態がどのように関連するのかを調べた研究をご紹介します。
The association between paternal and adolescent depressive symptoms: evidence from two population-based cohorts
父親と思春期の子どもにおけるうつ症状の関連
2つの研究対象となる集団を含んでおり、一つはアイルランドにおけるGrowing up in Ireland (GUI)の6,070組、もう一つはイギリスにおけるMillennium Cohort Study (MCS)7,768組が対象となりました。
子どもが10歳未満(GUIでは9歳、MCSでは7歳)における父親のうつと、子どもが思春期(GUIでは13歳、MCSでは14歳)の時における精神状態の関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・父親のうつ状態が重いほど、子どもの思春期における精神状態も悪化していました(例:父親のうつ病尺度が1標準偏差高くなると、子どものSMFQという心理尺度の0.18ポイント悪化する)。
・この父親のうつと思春期の子どもの精神状態との関連性は、母親のうつとは独立に生じていました。
要約:『子どもが幼少期の父親のうつ症状は、母親とは別に、後の子どもの精神状態に対して影響を及ぼすかもしれない』
子どもの精神状態を健全に保つためには、父母両方の精神的健康が重要であることが確認されました。
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