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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

物忘れの訴えと認知症との関連


他者から頻繁に物忘れを指摘される場合は認知症の可能性が高く、自分で頻繁に物忘れを訴える場合には認知症ではなく、うつ状態の影響が大きいと言われることがあります。


今回は、かなり以前の論文(2000年)ですが、物忘れの訴えと実際の認知能力との関連を調べた研究をご紹介します。


Are memory complaints predictive for dementia? A review of clinical and population-based studies

物忘れの訴えは認知症を予測するか?


複数の論文を調査してまとめたレビューであり、物忘れの訴えと認知障害との関連を調べた研究が対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。


・地域の高齢者を対象とする研究で、うつ症状の影響がないように調整された後では、物忘れの訴えが多いことが、認知症の発症を予測していました。


・特に教育歴が高い個人では、スクリーニングテストで明らかな認知能力の低下がない場合でも、物忘れの訴えが認知症発症を予測できる傾向がありました。


要約:『物忘れの訴えは、うつ状態の影響ではなく、認知症発症の予兆となっている可能性が高い』


自ら物忘れを訴える場合には、スクリーニング・テスト等より敏感に認知能力低下を予測している可能性があると思われました。



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