犬を飼っている場合、(犬の健康を考えた場合には)毎日散歩をすることが必要となりますが、これが人間にとっても活動性維持や精神状態の改善につながることがあります。
今回は、特に高齢者において、犬を飼っていることが身体的運動を保つ上でどのような影響を与えているのか、居住している環境もあわせて比較した研究をご紹介します。
天候の条件が悪い場合でも、高齢者が犬を飼っていることで身体的活動の維持につながる
がんや生活習慣・栄養等の関連を調べたThe EPIC-Norfolk Studyからのデータを用いた研究で、3,123人の高齢者が対象となりました。
上記の高齢者のうち18%が犬を飼い、そのうち3分の2は毎日、少なくとも1日に1回は犬を散歩させていました。
加速度計を装着して7日間の活動量や座っている時間、居住している天候との関連等について比較しました。
結果として、以下のことが示されました。
①犬の飼っている場合、飼っていない場合と比較して明らかに活動性が高く、座っている時間が短くなっていました。
②気温が低いなど居住環境が最も厳しい場合でも、犬を飼っているときには20%活動量が多く、座っている時間が1日あたり30分短くなっていました。
つまり、“閉じこもりがちな環境や老齢においても、犬を飼っていることは活動性を増加させるかもしれない”と言えそうです。
高齢者の場合、転倒等に注意は必要かもしれませんが、犬と一緒に散歩することで健康を維持できる可能性が考えられました。
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