◎要約:『環境中の有害物質の濃度は、うつ症状と関連するかもしれない』
今回は環境からいつの間にか暴露している有毒物質とうつ症状との関連について調べた研究をご紹介します。
環境からの有毒物質とうつ症状
Environmental Toxicant Exposure and Depressive Symptoms
アメリカにおける研究で一般の居住者3,427人(50.6%女性、78.3%が65歳未満、うつ症状が24.5%に存在)が対象となりました。
有毒物質については、アクリルアミド、ヒ素、酸化エチレン、ホルムアルデヒド、ヨウ素、金属、ニコチン代謝物質、多環式芳香族炭化水素類、揮発性の有機化合物(VOC)、過塩素酸塩、硝酸塩とチオシアン酸塩についての分析が含まれました。
結果として、以下の内容が示されました。
・今回調査した金属あるいは化合物のうち27の物質(例:揮発性の有機化合物、ニコチンなど)について、血液や尿のサンプルから推測される暴露の程度とうつ症状とが関連していました。
・特に男性や比較的若年層で影響が大きくなっていました。
・血液中の白血球数が、影響を媒介する要素となっていました。
様々な媒介する要素が考えられますが、一つには白血球の数が関連するということなので、全身性の炎症が関与する可能性が考えられました。
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