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生殖補助医療(ART)によるADHDや学業成績への影響

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

昨日は、気分障害関連の精神疾患について生殖補助医療(ART)の影響をお伝えしました。


今回は、ADHD(注意欠陥多動障害)や学業成績について、生殖補助医療(ART)の影響を調べた研究をご紹介します。


生殖補助医療、注意欠陥多動障害、学業成績について



スウェーデンの医療データを用いた研究で、1986年~2012年に出生した2400万人以上の子どもの経過を調べています。


注意欠陥多動障害については専門医の診断や薬剤投与、学業成績についてはスウェーデンの教育制度で第9学年(15~16歳)における学業成績が資料として用いられました。


結果として、以下の内容が示されました。

①生殖補助医療(ART)によって出産した子どもで、ADHDの相対的なリスクは低下していました(ハザード比0.83)。

②ARTでは、学業成績はやや上昇していました(平均のポイント差1.15)。

③凍結卵の使用等、様々な技法による違いは明らかではありませんでした。


つまり、“生殖補助医療(ART)の使用によって、ADHDや学業成績に関し、少なくともネガティブな影響はなさそうだ”ということです。


ADHDや学業成績には、両親の性格・知能に関する傾向や家庭環境等の影響があると推定されますが、少なくともリスクの上昇やパフォーマンスの低下はなさそうな結果でした。


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