抗うつ薬の効果に違いがあるように、会話を用いた心理療法の効果にも大きな個人差があるように思われます。
今回は、このような心理療法の効果の差異が、画像検査により予測できるかもしれないという内容の研究をご紹介します。
この Gabriel S. Dichter, PhDらによる研究(Neuropsychopharmacology. Published online February 4, 2015で掲載)では、うつ病に罹患した23人(平均33.1歳、83%が女性)が対象となりました。
機能的画像検査(rs-fcMRI)を用いて、4つの脳内ネットワークについて評価し、心理療法behavioral activation treatment for depression の効果(約12週間)との関連を調べました。
結果として、以下のことが示されました。
・グループ全体としてはBDI(うつ病尺度)で平均12.04点減少のうつ症状軽減を認めました。
・特にこのうち、治療前の脳内ネットワークについて一定のパターン(right insula 、the right middle temporal gyrusのネットワーク機能が高い)を持っていると、効果が高いことが分かりました。
要約:『脳内ネットワークが一定のパターンを持っていると心理療法が効きやすく、これは画像検査で治療前に評価可能かもしれない』
様々な心理療法が存在しており、それぞれの方法によっても、有効なパターンが異なるかもしれませんが、事前に治療効果の予測ができる可能性が示されていました。
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