◎要約:『関節炎の痛みに対してポジティブ心理学の介入を行っても、明らかな改善は得られないかもしれない』
疼痛の軽減にマインドフルネス等の心理的方法が有効であると指摘されてきました。
今回は、ポジティブな心理的状態や態度を維持・改善することを重視する“ポジティブ心理学的介入(Positive Psychological Intervention)”が関節炎の痛みに有効かを調べた研究をご紹介します。
関節炎のある成人の痛みと機能障害に対するポジティブ心理学の有効性
Effect of a Positive Psychological Intervention on Pain and Functional Difficulty Among Adults With Osteoarthritis
A Randomized Clinical Trial
アメリカの退役軍人を対象とした関節炎に対するポジティブ心理学の効果を調べた研究(The Staying Positive With Arthritis Study)によるもので、180人の非ヒスパニック系白人と非ヒスパニック系アフリカ系アメリカ人180人(全体の平均年齢64.2歳、76.4%男性)が対象となりました。
親切や感謝に関するスキル等、ポジティブ心理学に関する介入が、電話によって週に1回、6週間にわたって行われました。
結果として、ポジティブ心理学の介入による痛みや機能障害の時間経過による変化は明らかではなく、人種間による違いもありませんでした。
頻度や継続期間による効果の違いもあるかもしれませんが、今回の介入法ではポジティブ心理学を内容とする介入方法は痛みや機能上の障害に明らかな改善をもたらさないという結果でした。
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