眼球のガラス体液中にも認知症の指標となる物質がある

昨日お伝えしたように様々な材料(血漿や脊髄液)の物質について、認知症の尺度に使えるものはないか、検証が続けられています。
今回は、眼球の中にも認知症の兆候を示す物質があるかもしれない、という内容の研究をご紹介します。
Neurofilament light chain in the vitreous humor of the eye
眼球のガラス体液中におけるニューロフィラメント軽鎖
様々な理由で眼球の手術を受けることになった77人が研究の対象となりました。
今までにも、ニューロフィラメント軽鎖という物質は、脊髄液中に出現し、認知症の尺度として有用であることが示されてきました。
結果として、今回眼球のガラス体液中にもニューロフィラメント軽鎖が出現しており、これはアミロイドβやタウ蛋白といったアルツハイマー病の指標と関連していることが示されました。
特別な場合でしか入手できない材料であり、今後ガラス体液が診断の中心になることは考えにくいですが、このような部位にも認知症の尺度となる物質が出現しているのを知ることで、全身の様々な部位でバイオマーカーが存在する可能性を感じました。