社会的に孤立することで認知症やうつ病のリスクが上昇することが指摘されてきました。
今回は、社会的な接触と脳の体積、うつ状態との関連を調べた研究をご紹介します。
Association Between Frequency of Social Contact and Brain Atrophy in Community-Dwelling Older People Without Dementia: The JPSC-AD Study
地域で生活する認知症のない高齢者における社会的接触の頻度と脳の萎縮
日本における研究で、65歳以上の一般地域に住む認知症のない8,896人(平均73歳、57%が女性)が対象となりました。
社会的接触の頻度ごとにグループ分けを行い、脳体積との関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・社会的接触が多いグループと少ないグループを比較すると、社会的接触が少ないグループで全体の脳体積が小さくなっていました。
・特に変化の大きい領域としては、側頭葉、後頭葉、帯状回、海馬、扁桃体が挙げられました。
・うつ症状が、社会的接触の少なさと脳体積減少との関連の一部を介在していました。
要約:『社会的接触が少ないと脳体積の減少が大きくなる傾向があるが、一部でうつ症状の影響もあるかもしれない』
認知能力低下やうつ症状が先行する、逆の因果関係も考慮に入れながら、慎重に理解する必要性を感じました。
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