食事内容や運動等の身体的な要素のみではなく、教育や趣味等、様々な要素が認知能力に影響すると言われています。
以前に、アナログゲームを楽しむ習慣が多いほうが、認知能力が保たれるという研究結果について説明しましたが、実際、生活のあらゆる要素が何らかのかたちで精神活動(とそれを支える脳細胞の活動)に影響を与えており、どの要因が最も決定的なのかは判断がしにくいと考えられます。
今回は、地域における社会経済的な状況がどのように脳体積に影響を与えるのか、認知症レベルではない状態での影響について調べた研究をご紹介します。
地域レベルでの社会的条件と脳全体・海馬体積との関連
認知症ではない951人について、社会経済的な地域ごとの特性と、MRI画像による脳体積(海馬と脳全体)との関連を調べました。
最も社会経済的な状況の悪い地域では、4.1%の海馬体積の減少、2.0%の脳全体の体積減少が認められました。
これらは、教育レベル等に関する調整を行った後に、できるだけ社会経済的状況を純粋に反映する結果であるようです。
社会経済的な状況と脳の体積との関連が、どのような要素によって介在されるのか(論文中では脳全体の体積が心血管系のリスクによって介在されることを指摘)、具体的なさらに詳しいことが分かると、認知能力低下の予防に生かせると考えられました。
#認知症
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