脳の電気刺激による認知能力改善については、以前から議論があります。
今回は、てんかんのコントロール目的で、植え込まれた装置による刺激で、記憶力が改善するのか調べた研究をご紹介します。
神経刺激装置による脳刺激の言語的記憶に対する効果
てんかんのコントロール目的で神経刺激装置(ほとんどが前頭-側頭回路の刺激)を埋め込んでいる17人が研究の対象となりました。
12個の言葉を含んでいるリストを覚え、3つの別の課題の後、思い出せるか確認しました。
結果として、偽の刺激と比較すると、神経刺激を行った場合のほうが言語的記憶力の向上を認めました(効果量d=0.627)。
つまり、“脳に対する電気刺激を行うことにより、言葉を覚えるような短期の記憶力が向上する可能性がある”ということです。
少数例での臨床試験であり、これだけで電気刺激の有効性は確認できませんが、今後認知症等への応用が期待される内容でした。
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