神経性食欲不振症(拒食症)は比較的若い年代で発症し、(変動はありながら)慢性に経過する場合を多く経験します。
今回は非常に以前(1998年)の研究ですが、神経性食欲不振症の長期経過について調べた論文をご紹介します。
The long-term course of severe anorexia nervosa in adolescents: Survival analysis of recovery, relapse, and outcome predictors over 10–15 years in a prospective study
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/(SICI)1098-108X(199712)22:4%3C339::AID-EAT1%3E3.0.CO;2-N
思春期における重度神経性食欲不振症の長期経過
大学の特別プログラムに参加した神経性食欲不振症の患者が対象となり、入院から10年以上の経過を観察しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・約30%が退院後に再発していました。
・多くの患者は体重を回復し、月経を順調に迎えるようになり、76%は寛解(2ヶ月間症状がない状態)となっていました。その後の再発は稀でした。
・寛解に至るまでの期間は57~79ヶ月となっていました。
・制限型で発症した場合での5年以内に、30%がむちゃ食い障害を発症していました。
要約:『神経性食欲不振症は長期的に見て、一部は再発や別の病態を呈するが、寛解状態になる場合が多い』
かなり以前の論文なので、現在は様子が異なっている可能性はありますが、臨床的な実感よりも寛解状態となる場合が多い結果でした。
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