神経義肢の技術で言葉を取り戻す


神経(脳)の信号を義肢に伝え、動きに置き換えることによって、失われた機能を回復する技術があり、“Neuroprosthesis 神経義肢”と呼ばれます。


今回は、失語症(脳梗塞等の後天的な原因によって言葉の発声や理解が障害された状態)について、この技術を用いた研究についてご紹介します。


Neuroprosthesis for Decoding Speech in a Paralyzed Person with Anarthria

麻痺により失語症となった患者に用いた言語変換を行う神経義肢


脳幹梗塞により四肢の不全麻痺と失語症となった人に対して、頭部硬膜下に機器を置き、脳の信号を直接読み取りました。


その信号を言葉に変換する技術として、deep-learning modeディープ・ラーニング・モデル(ディープ・ラーニングの技術を用いて信号を分類し反応のパターンを作ったモデル)とnatural-language model自然言語モデル(次にどんな言葉が続くのか、自然な言葉の流れを示したモデル)を用い、言葉の発声を行いました。


結果として、1分あたり15.2語の発声があり、誤りが生じる割合は平均25.6%でした。


81週間の研究期間で、言葉を発しようとする信号の98%を感知し、47.1%の正確性で信号の分類を行いました。


脳の信号を直接言葉に置き換える初めての技術であり、エラーの発生率等に関して改良の余地があるのかもしれませんが、失われた言葉を取り戻す非常に有効な手段であると思われました。

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