特有の筋肉の硬さ(蝋屈)や目的のない運動等を伴う状態について、“カタトニア(緊張病症候群)”という言葉が使われることがあります。
昔から使用されている第1世代抗精神病薬では、第2世代よりも、カタトニアの生じるリスクが高いのではないかという指摘があります。
今回は、第1世代の抗精神病薬と第2世代の抗精神病薬に関して、カタトニアのリスクを比較した研究をご紹介します。
Comparative Effects of 30 Antipsychotics on Risk of Catatonia: An Analysis of the WHO Pharmacovigilance Database
30種類の抗精神病薬に関するカタトニアのリスク比較
薬剤の副作用に関する報告データベースを元にした研究で、60,443例の第1世代抗精神病薬に関する報告と、253,067例の第2世代抗精神病薬に関する報告が分析の対象となりました。
カタトニア(緊張病症候群)について、第1世代と第2世代のリスクを比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・第1世代抗精神病薬では、第2世代よりもカタトニアの生じるリスクが高くなっていました(オッズ比2.2倍)。
・今回調査された抗精神病薬の中で最もカタトニアのリスクが高かったのは、モリンドン(6.0倍)、ハロペリドール(3.8倍)でした。
要約:『第1世代の抗精神病薬では、第2世代よりもカタトニアの生じる割合が多くなるかもしれない』
第2世代の抗精神病薬よりも、第1世代が有効である場合もあるので、全ての場合で使用を控えるのも治療的有益性を低下させると思われますが、稀な副作用にも配慮が必要であると思われました。
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