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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

精神医療に対する偏見改善の取り組み

◎要約:『インド農村部における精神的ケアは有効かもしれないが、偏見を改善する取り組みでの効果は明らかではなかった』





インドでは多くの精神医療の支援が必要な人々がいるにも関わらず、偏見から援助へのアクセスができない状況があると言われています。


今回は、インド農村地域における偏見を改善するキャンペーンやデジタル機器を介して行った精神的ケアの影響を調べた研究をご紹介します。


インド農村地域の精神衛生に関する援助

Mental Health Care Support in Rural IndiaA Cluster Randomized Clinical Trial


インド農村部に位置する44の初期医療施設を利用する9,928人(精神状態がハイリスクである人々3,365人と通常の状態6,563人、平均43歳、女性57%)が対象となりました。


インド農村部において、職員がWHOのガイドラインに則ったトレーニングを受け、地域における精神医療(援助)に関する偏見を改善するプログラムを行いました。また、精神状態がハイリスクの状態にある場合には、デジタル機器を用いた精神的ケアを行いました。


結果として、以下の内容が示されました。


・ハイリスク者対象に行なった精神的ケアと精神状態の尺度(PHQ-9)の改善が関連を示していました(1年後のスコア ケアあり2.77 vs ケアなし4.48)。


・同様に精神的ケアとうつ状態や不安、自傷に関する寛解率の改善が関連を示していました(ケアあり74.7% vs ケアなし50.6%)。


・1年の経過で精神的ケアに関する行動には明らかな変化はありませんでした。



精神的ケア自体は有効であるものの、受診や援助を求める行動を変えることは容易ではないことを感じさせる結果でした。


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