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精神状態の簡易尺度(PHQ-9)で把握しにくい自傷・自死について

◎要約:『希死念慮があってもPHQ-9で察知できない条件として、一般医での実施、比較的高めの年齢、精神科診断があること、などが考えられる』






うつや希死念慮を含む精神状態の簡易的な尺度として広く用いられているものに“the Patient Health Questionnaire item 9(PHQ-9)”があります。


今回は、PHQ-9で希死念慮を察知できなかった思春期若年者の特徴を調べた研究をご紹介します。


Adolescents Who Do Not Endorse Risk via the Patient Health Questionnaire Before Self-Harm or Suicide

自傷・自死前のPHQで危険を察知できない思春期若年者


アメリカにおける研究で、13~17歳の若年者でPHQ-9を行い、希死念慮を示す尺度でスコア“0(全くない)”としたにも関わらず、自傷・自死イベント(以下、単に“イベント”と表記)が認められたグループを対象としています。


イベントから遡って30日以内にPHQ-9を行ったグループを30日グループ(691人、平均15.3歳)、90日以内でにPHQ-9を行ったグループを90日グループ(1024人、平均15.3歳)としています。


結果として、以下の内容が示されました。


・90日グループでみて、一般のプライマリ・ケアでの受診(オッズ比1.5倍)、比較的高年齢の思春期(オッズ比1.2倍)で、スコア0でのイベントが増えていました。


・30日グループでみて、精神科への入院経験や精神科診断のある場合(オッズ比2.0倍)で、スコア0でのイベントが増えていました。


・90日グループでみて、摂食症(障害)のある場合には、スコア0でのイベントは減少(オッズ比0.4倍)していました。




条件について、「一般医での実施」→希死念慮をオープンにしにくい場所であると感じる?、「比較的高めの年齢」→年齢が高くなると希死念慮を隠すようになる?等の推測が成り立ちますが、簡易尺度でスコア0であることで、希死念慮の存在を除外できたと考えないことが大切であるように思われました。

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