精神疾患があるとCOVID-19の感染率や感染した場合の重症化につながるのではないかという指摘があります(https://www.nature.com/articles/s41380-021-01344-2)。
今回は、精神疾患といわゆる“ブレイクスルー感染”(ワクチンを推奨回数打っていても生じた感染)との関連について調べた研究をご紹介します。
精神疾患とSARS-CoV-2によるブレイクスルー感染の関連
推奨回数のワクチン接種を受けた退役軍人に関する健康データ(約2600万人、平均66.2歳)が使用されました。
過去5年間に精神疾患(うつ病、適応障害、物質関連障害、PTSD、摂食障害等を含む)の診断があった場合とない場合とで、“ブレイクスルー感染”の割合を比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①精神疾患が一つでもあると、ない場合と比較して合併疾患や喫煙を調整した後でも、“ブレイクスルー感染”がわずかに多くなっていました(調整後相対危険率1.03)。
②ブレイクスルー感染が多かった診断として、物質関連障害(相対危険率1.16)、適応障害(相対危険率1.13)が挙げられました。
つまり、“精神疾患があると、ワクチンを摂取していても感染が生じる「ブレイクスルー感染」が少し多くなるかも知れない”と言えそうです。
自己ケアや予防対策、免疫力低下等、様々な要素が原因として考えられますが、特に精神疾患に罹患している場合には、ワクチンを打っていても感染予防策に留意することが重要であると考えられました。
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