うつ病での自殺の危険性に関して言及されることは多いのですが、統合失調症等の精神病性の疾患に関しても、重篤な自傷や自殺企図を認める危険性があります。
今回は精神病の発症と意図的な自傷 deliberate self-harm (DSH)や自殺の危険性について調べた研究をご紹介します。
精神病を発症した青年における自傷・自殺の危険因子
初めて精神病に罹患した15~24歳の19,422人が対象となりました。
精神病の罹患と自傷・自殺の関連を過去の記録(2010~2017年)を遡ってしらべました。
結果として、以下の内容が示されました。
①2,148人(11.1%)が少なくとも1回の自傷行為をしていました。
②22人(0.1%)が自殺で死亡していました。
③自傷・自殺の危険因子として、自傷の既往、希死念慮、虐待、ネグレクト、合併症、発症前の精神科受診歴が挙げられ、発症(診断)から最初の3ヶ月がもっとも危険性が高くなっていました。
つまり、“精神病性の疾患で、1割程度に自傷行為、0.1%に自殺を認めている。”と言えそうです。
特に発症(診断)から数ヶ月の時期における行動に注意を要すると思われました。
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