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精神病症状の前兆期間の長さと認知能力低下

◎要約:『精神病(症)では、前兆が現れてから発症するまでの期間が長いほうが、その後の認知能力低下が少ない傾向がある』





統合失調症をはじめとする精神病(状態)を来しうる疾患には、顕著な幻覚や妄想などの症状を認める急性期の前に、前兆を認める時期があります。


今回は、前兆期間の長さによって、その後の認知能力に差異があるのかを調べた研究をご紹介します。


Duration of Untreated Prodromal Psychosis and Cognitive Impairments

未治療精神病(症)の前兆期間の長さと認知障害


精神病類似の症状はあるが、陽性症状(幻覚、妄想、ある種の思考障害、奇異な行動)が診断基準を満たすほど顕著ではない前兆期であると診断された506人(平均19歳、女性53.6%)が対象となりました。


発症までの期間(前兆期)の長さを短期間(3ヶ月以下)、中期間(4~9ヶ月)、長期間(10ヶ月以上)に分けて、認知能力への関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。


・発症までの平均期間は7.8ヶ月でした。


・前長期が短い方が、認知機能(Visuospatial Memory Test–Revised 視空間記憶課題、 Category Fluency Test 意味流暢性課題)の低下が顕著でした。


・前兆期の長さと認知課題の点数には正の関連(片方が大きいともう一方も大きい)がありました。


・3年間で発症したのは20.8%でした。発症に関連していたのは、教育の達成度、陰性症状(無為自閉や感情鈍麻等)の程度、神経心理的評価結果、迷路課題の結果でした。




精神病性疾患の予後を検討する上で、緩やかな経過をたどる場合と急性の経過をたどる場合で違いがあることが確認できた内容でした。


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