統合失調症等の精神病性疾患においては一定の認知機能低下を認めますが、今回は発症の兆候がある高リスクグループにおいて、認知機能を調べた研究の統合結果をご紹介します。
精神病発症高リスク者における神経認知機能について
78の研究(精神病発症高リスク者5162人、健常者2865人、初発の精神病発症者486人を含む)が分析の対象となりました。
結果として以下の内容が示されました。
①健常者との比較では多くの認知機能領域で高リスク者では低下を認めました。
②高リスク者と発症者との比較では発症者のほうが認知機能が低下していました。
③高リスクから発症に至る経過には一部の認知機能検査:California Verbal Learning Test (CVLT) の結果が関連していました。
つまり、“精神病発症のリスクは認知機能低下と関連し、発症することでさらに低下する可能性がある”ことが示されました。
統合失調症などの精神疾患の経過をみる上で、高リスクからの認知機能変化にも留意する必要性を感じました。
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