運動だけではなく、精神的活動(社会的交流やゲームをしたりする等)も認知症を予防する要因として注目されます。
今回は、最初の時点では認知症のない高齢者について、精神的活動を記録しながら経過を調べた研究をご紹介します。
精神活動の質・量と軽度認知障害のリスク
70歳以上の認知症のない2,000人が研究の対象となり、5年間の経過を追いました。
5つの精神活動(読書、コンピューターの使用、社会的交流、ゲーム、工作)について、タイミング、回数、頻度について記録してもらいました。
中年期に行っていたか、老年期になってからか、その両方の時期かによっても、結果は異なっていましたが、概ねどの精神活動も、認知障害のリスクを低下させていました。
例えば、中年期と老年期の両方で、比較的社会的交流が多かった場合には、認知障害発症のリスクが2割低下する等、全体として2~4割のリスク低下を認める結果となっていました。
特に、老年期において、多くの種類の精神活動を行っている場合には、認知障害のリスクの幅が大きくなっていました(5種類全部だと、4割程度のリスク低下)。
認知能力低下を防ぐためには、老年期になってからも広い範囲の精神的活動に取り組むと良さそうです。
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