◎要約:『直接の治療的介入(フィードバック)が難しいときに、CBTやマインドフルネスに基づいたデジタルサービスでも同じくらいの効果をもたらす可能性がある』
今回は、精神科治療を求める成人を対象に、実際に診察を受けられるまでのギャップを埋めるためのデジタルサービスにどのような効果の違いがあるのかを調べた研究をご紹介します。
精神科治療を求める成人に関するデジタルサービスの効果比較
Comparative Effectiveness of Three Digital Interventions for Adults Seeking Psychiatric Services
A Randomized Clinical Trial
アメリカにおける研究で、精神科の治療予約をしているか、治療が予定されている成人2,079人(平均36.8歳、自己認知女性68.4%)が対象となりました。
対象者をランダムに以下の内容に振り分けて、経過を観察しました。
1)個別のフィードバック(連絡)のみ
2)CBTを中心としたデシタルサービスのみ
3)CBTを中心としたデシタルサービス+フィードバック
4)マインドフルネスを中心としたデシタルサービスのみ
5)マインドフルネスを中心としたデシタルサービス+フィードバック
結果として、以下の内容が示されました。
・精神状態の尺度(PHQ-9)で元の平均は12.7でしたが、全体的に上記の介入を行い、-2.1~2.9の改善を認めました。
・上記5つの選択肢の違いは明らかではありませんでした。
・自死関連事象に関しては、マインドフルネス中心のデジタルサービスの方が改善が大きくなっていました。
直接的な対面での治療が難しいときに、待機期間中にデジタルサービスを利用可能にするなどの方法が考えられる内容でした。
Comments