慢性に経過する精神疾患では自己ケア能力が低下し、他の身体疾患の合併が増加することが知られています。
今回は、糖尿病の有無によるうつ病有病率の違いに関する研究をご紹介します。
State-Specific Prevalence of Depression Among Adults With and Without Diabetes — United States, 2011–2019
州ごとの糖尿病の有無によるうつ病有病率
アメリカにおける研究で、2011~2019年における健康に影響のある行動因子に関する調査2011~2019年(Behavioral Risk Factor Surveillance System)が元になっています。
結果として、以下の内容が示されました。
・2019年のうつ病の有病率は、糖尿病あり29.2%、糖尿病なし17.9%となっていました。
・2011~2019年での有病率の変化は、糖尿病あり28.6→29.2%、糖尿病なし15.5→17.9%と、糖尿病なしのうつ病が増加していました。
・糖尿病を伴ううつ病の有病率は州によっても異なり、特に多い州として、ケンタッキー州47.9%、ウェストバージニア州47.0%、メイン州41.5%が挙げられました。
要約:『糖尿病がある場合のほうが、ない場合よりもうつ病の有病率が高い傾向がある』
糖尿病がある場合には、(一般の有病率から予想されるより)うつ病の発症に注意が必要であると思われました。
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