経頭蓋交流電流刺激(tACS)の初発うつ病に対する効果


うつ病に対しては通常、抗うつ薬を中心とした薬物療法が選択され、認知行動療法等の心理療法を併用するほうが望ましいと言われています。


しかし、このような治療の効果が十分得られないこともあり、磁気刺激等の物理的刺激による治療が選択されることがあります。


今回は、前頭部と乳様突起に電極を置いた経頭蓋交流電気刺激を初発のうつ病に対して行った場合の効果について確認した研究をご紹介します。


Transcranial alternating current stimulation for treating depression: a randomized controlled trial

経頭蓋交流電気刺激によるうつ病治療


ランダム化二重盲検による臨床試験で、初発のうつ病(薬剤投与なし)の外来患者が対象となりました。


前頭部と両側の乳様突起に電極を置いた交流電流刺激による1回40分の施術を毎日行い、治療開始4週後と治療終了後4週後の経過観察を行いました。


17項目のHamilton Depression Rating Scale が7点以下になった時を「寛解」、症状が50%以上の軽減した時に「反応」と定義し、症状についての評価を行いました。


結果として、以下の内容が示されました。

①治療終了4週後の寛解率は本物の刺激で54%、偽刺激で18%となっており、寛解が起こる確率の比は1.78倍となっていました。

②治療終了直後や4週後の反応率や症状軽減の大きさも本物の刺激のほうが明らかに大きくなっていました。

③副作用の割合は、本物と偽刺激で変わりませんでした。


つまり、“頭蓋の上から電極を置く交流電流刺激で、初発のうつ病に半分以上の寛解率を認める”と言えそうです。


有効性(寛解率や反応率)や副作用の少なさを考えると、経頭蓋交流電流刺激も選択肢として考えられる治療であると思われました。

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