最近、統合失調症における認知の重要性が強調されていますが、主に海外で行われている認知機能改善を目指したアプローチとして、認知改善のためのプログラム(Cognitive remediation :以下、CRと表記)があります。
今回は、CRに関する多数の研究を分析したシステマティックレビュー(すでに発表されている論文を体系的に精査すること)をご紹介します。
統合失調症における認知改善の有効性・主要な要素・影響する因子
ヨーロッパやアメリカを主とする世界中の研究130(およそ9000人の参加者を含む)が対象となりました。
CRにおいて、以下の要素が重要であることが確認されました。
・積極的で熟練したセラピスト
・長期に渡る繰り返しの訓練
・認知改善を目的とした構造化されたプログラム
・実社会に応用可能な統合された心理社会的リハビリテーション
症状が重度であっても、CRが有効であることも指摘されており、統合失調症のリハビリテーション全般に認知改善を意識した援助が重要であると思われました。
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