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統合失調症にうつ病を合併する割合について

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

統合失調症は、幻覚や妄想などの目立つ症状(陽性症状)と、無為自閉や感情鈍麻などの目立たない症状(陰性症状)が出現する病気です。


意欲低下等が明らかな場合でも、多くは陰性症状と考えますが、中にはうつ病などの感情障害が合併していると解釈する場合もあるようです。


今回紹介する論文では、うつ病が合併していると考えられるような統合失調症がどのくらいの割合にのぼるか調べた研究をご紹介します。



統合失調症で合併する大うつ病


複数の論文を系統的に分析して結果をまとめた論文(システマティックレビュー、メタアナリシス)で、18の論文(6,140人の症状の安定した統合失調症の外来患者)が分析の対象となりました。


論文ごとに大きな違いがありましたが、全体をまとめて、症状の安定した統合失調症におけるうつ病合併の有病率は32.6%にのぼりました。


通常は陰性症状として、統合失調症の一部と考えられると思いますが、少なくとも“安定した統合失調症では、3分の1くらいの患者で強いうつ症状類似の気分の落ち込みがある”と言えそうです。


統合失調症の経過で、幻覚や妄想が落ち着いた時期には、気分障害にも注意が必要であると考えられました。

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