昨日は、統合失調症における女性ホルモンの追加療法による効果についてお伝えしました。
今回は、統合失調症に対する女性ホルモン受容体に対する選択的調整薬(ラロキシフェン raloxifene)の効果を調べた研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。
The effect of raloxifene augmentation in men and women with a schizophrenia spectrum disorder: a systematic review and meta-analysis
統合失調スペクトラム障害に対するラロキシフェンの増強効果
ラロキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター (SERM) として知られており、骨粗鬆症の治療薬として用いられる他、閉経女性における乳がんの予防効果についても期待されることがあります。
ラロキシフェンの精神病症状に対する効果を含んだ研究9本(561人の参加者)が分析に加えられました。
結果として、以下の内容が示されました。
・ラロキシフェンによる増強を行った場合、まず全体では症状軽減が大きくなっており(統計量ヘッジのgは0.57)、陽性症状、陰性症状の下位項目でも同様でした。
・合併するうつ症状や認知機能については差異が明らかではありませんでした。
要約:『ラロキシフェンによる増強療法は、統合失調症の症状軽減に有効である可能性がある』
どのような症例に有効なのか、副作用の内容や頻度等について、より詳細な検討が必要であると思われました。
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